胸元の月

[胸元の月]

あわせた胸元に月がかかる

なつかしい孤独をたしかめるように

おぼろな果てを追いかけ続けた


ふたりの水がめは空ろなままで

ところどころが欠けていた


しまい忘れたやさしさを

悲しみが貫いていく

ありきたりな甘さを

おぼろに漂わせながら


あわせた胸元に月が灯る

鄙びた孤独をもてあそぶように

うつつな果てをたどり続けた


ふたりの水がめはたよりなくて

ところどころが欠けていた


いつきさらさOwnd「名前のない部屋」より

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「無伴奏」の試写会(2度目?3度目?)が行われましたね。仙台が最初だったのでしたっけ(記憶違いだったらごめんなさい)。

監督のお話によると、映画で主に描かれているのは原作の中の“現代ではない部分”だとのこと。こちらでの公開日が4月以降なので、それまでは映像をなんとなく想像するしかないですが…舞台挨拶も気になりますけど、日帰りということになってしまうので、どうかな…

タイミングの合う方は、是非是非楽しんで下さいね♪


今日もいい日でありますように。



☆拙詩

冒頭にあげた作品は以前に作ったもの。確か、拙著にも収録してなかったと思います。

『無伴奏』をイメージして書いたわけではないけれど、近いような気がして再掲させていただきました。