無伴奏

大阪の舞台挨拶、夕方の回に参加してきました。MCは、関西ではきっとご存知の方が多いはず。

シネマコミュニケーターの森川みどりさんでした。


工さんが登壇する回に行くのは、生まれて初めてです。

日常や懐事情と相談して、選択肢としてはそこしかなかったので、チケットがとれなければ行かないと決めて。

いつも目的地と駅周辺しか行かないという旅なので、大阪でかろうじて自力でたどり着けるのは、えーと、オリンパスギャラリーと、FCイベントがあった劇場と、新大阪駅と…つまりは、全くご案内出来ない感じですが(汗)


1970年代は時代としては中途半端なんです


静かな口調で「大阪が大好き」と、“大阪愛”を嬉しそうに話していた矢崎監督。大阪には割とよく来てるのに、相変わらず駅周辺しか知らない私とえらい違いだ(あたりまえ)、などと思いつつ、素敵なお話に耳を傾けました。とある重要なセットのお話もあったのですが、これはどうしましょう…一応伏せておきましょうか(すでに各インタビュー記事やパンフレットに書いてあると思います)。


名古屋は(成海璃子さんと)ふたりでグダグダでした(^▽^;)


これは、池松くん。MOZUの人だ〜とテンションがあがるワタクシ(ミーハー)。

名古屋もそうだったとのことですが、上映前の舞台挨拶の場合、言えないことが多くなる、というのは登壇したみなさん口々に言われてましたね。


うーん…うーん……時代?…うーん………


真剣に悩む成海璃子さん。上映前でネタバレしないように、という配慮もあったのでしょう、言葉を探している様子に、実直なお人柄が伝わってきました。

「1リットルの涙」で初めて彼女を知って、すごい女優さんが出てきたな〜と思ったのを覚えています。10年ぐらい前かな。


池松くんは頼りになる。僕はそそくさと逃げて何かにつまづいて死ぬ


これは、工さん。どっと笑いが起きました。


手渡ししていきたい作品をこのように大きなスクリーンで披露できるのは感慨深い


これも工さん。手作りで丁寧に温かく作られた映画です、とのこと。

スクリーンは、ほんとに大きかったです。普段行く劇場で、ここまで大きなスクリーンのあるところ、あまりなくて。

会場に入ってまずびっくりしたのがそこでした。贅沢なひとときでしたよ^^

端のほうに座ると、多少スクリーンが見づらいのですが…音響はとてもよかったです。


この日は大阪のあと、神戸の劇場で上映後の舞台挨拶が行われたのですよね。そちらに参加される方も多かったのでしょう…なので、これは時間的にも仕方ないことなのですが、舞台挨拶が終わると同時に相当数の方が退出されました。近くの席の方と思わず顔を見合わせてしまったほどで、少し場内もざわついていた感じがします。

以下、映画「無伴奏」の感想です。ヘタレ詩人のアカウントでも、簡単に呟きました。

ネタバレ…は、ないとは思いますが、気になる方は読まないほうがよいかも?


祐之介の言動ひとつひとつに、神経を逆撫でされるようでした。多分、半分以上の時間を響子の目線で観ていたのだと思うのです。あろうことか、途中から激しい嫉妬が沸き上がってきまして。映画を観て、嫉妬心に溺れそうになったことは初めてでした。

祐之介目線でこの作品を観てみると、一途な愛と嫉妬、そして響子に対する絶対的優越感…そんな感情が見え隠れするようです。

渉の心情には、まだ追いつけない部分もあります。悲しくて、怖くて。

エマは…彼女は、幸せなまま存在していたと思います。登場人物の中で、一番あっけらかんとしていたようでもあり。


ほかにも印象に残ったことがたくさんあります。

例えば、さまざまな音。生活音の時に耳障りな“リズム”。←ネタバレ寸前(汗)

また、あることが起こるとき、それを直接映像にするのでなくて、さらりと表現することにより、観客をぐっと引き込むというのでしょうか、ものすごく衝撃があるんですね。

ラブシーンも話題になっていますが、むしろ見えない部分……行間というのかな。そこにいろいろなものが溢れている、繰り返し「読みたくなる」映画でした。容赦なく、自分の中に眠るさまざまなものが呼び起こされます。そういう意味では、やはりちょっと怖い作品ですね…


工さんが登壇する舞台挨拶の会場にいる、という初めての体験。

その作品が『無伴奏』だったことは、とても幸せです。ありがとうございます。


今日もいい日でありますように。


☆地味にツボりました

「成海璃子で〜す♡」と明るく登場した工さん。会場から笑いが起こります。

これ、司会者さんが紹介した順に登壇したのではなくて…他の会場ではどうだったのかわからないですが、大阪の夕方の舞台挨拶では工さんが一番に登場したんですね。司会者の方は「成海璃子さん、池松壮亮さん、斎藤工さん、矢崎仁司監督」と紹介したのですが、工さん、池松くん、璃子さん、監督という順にステージへ。

どういうわけか、なかなか笑いが止まらなかった私です(笑)