旅を続ける人〜写真集「斎藤 工 蜷川実花」

写真集「斎藤 工 蜷川実花」。 手にされたという方もいらっしゃると思います。きっと、いろんな印象をそれぞれに受けとられたのではないでしょうか。


まず、浮かんだ言葉は…裏表紙に目がいったせいだと思うのですが「旅」です。

旅を続けている人、旅の途中の人。旅人、というイメージがものすごく強かったですね… 旅立つ人、というイメージは私は浮かばなかったです。

ふわっとした感じと、リラックスした表情、やさしくあたたかい空気感。

そして、むしろ肌を出している写真よりも、桜の写真だとか森の中、といったページのほうにより色香が漂っているような印象がありました。

これも、見る人によって感想はさまざまだと思います。


他にも「近くて遠い」という漠然とした印象や、「さびしい」という感覚も少し。ただ、さびしい写真だから泣いた、というわけではないし、さびしい写真がたくさんあった、とは思ってないので…


できることなら、自分の潜在意識に「なんで泣いた?」と問いただしたいぐらいです。


ページを辿っているうちに悲しくもないのに涙がポロポロ流れてきて、「写真集が汚れる」という全うな感覚もありつつ、ほんとに涙が止まらない状態になってしまって…

そばに誰もいなくてよかったですが。


私が初めて工さんにお会いしたのは、名古屋です。

たびたび書いているように、工さんと向かい合ったときに何の脈絡もなく「丸い」というイメージを持ったのですけど(もちろん、太っていたという意味ではアリマセン)、この写真集にも「丸」さはあちこちに映っていて、単なる宣伝文句でなくて本当に素のまま写真になっているのだなと思いました。


おしまいに、好きな作品を。1枚に絞れなかったので、3枚選んでみました。


まずは、シルエットが石垣?に映っているページがありますよね。右側には、キーの写真があって左側に工さんのシルエットが映っている… すごく面白い写真なんですよね。ニナミカさんの茶目っ気も感じられて、写真としてもとても好きな1枚です。


続いて、桜と写っている写真の中から口元が写っている写真、の、ひとつ前のページ。


3枚目は、グラスと手元が写っている写真、の、ひとつあとの見開きのページ。


お風呂の写真も、無防備な感じg(このくらいにしておきます…)


皆さんも、特にお気に入りの写真ありますか?

3枚に絞るのはすごく難しいけど、よかったら教えてくださいね。