三崎亜記の「海に沈んだ町」を読み終えた。
短編小説が9編おさめられており、それぞれの物語にモノクロームの不思議な写真が添えられている。
切ない話、不条理な話、ほっとする話、そして…ぞっとする話。
どの物語にも喪失というテーマが見え隠れし、自分の半身のように慕っていた人が「失われた」ばかりの私には重い話もあった。
「ニュータウン」という物語が、短編集の最後におさめられている。生態保存された町の話だ。喪失の物語でもあり、再生と希望の物語でもある。だから、読後感は決して暗くはならない。
独特な世界観は好みの分かれるところだろうが、よろしければ。
個人的にゾッとした物語→「巣箱」
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