ずいぶん前に、ある男性アーティストのイベントに参加した。
トークライブか何かだったと思うのだが、会場でプレゼントの抽選会があり、実際に彼がステージで使用していたスレイベルという楽器を、私が引き当てた。直接スレイベルを手渡してもらい、握手してもらった上に一言二言、会話まで交わすことができたのだが
会場の皆さんの視線が、とても痛かった(汗)
受け取った瞬間、その重みにたじろいだ。
愛用の楽器を譲り受けるという行為は、同時にその人の体の一部であるとか、魂の片鱗をも受け入れるぐらいの覚悟がいる。
スレイベルは使い込まれており、こまかな傷もあったが大切なものであることは想像できた。ためらったが、スタッフの方に促されて(イベントの進行は分刻み、秒刻みだ)
大切にします
とお礼を言って、元の席に戻るしかなかった。
演奏方法を少しでも聞いておけばよかったな、と今になって思う。
私に思い切りが足りないのか、はたまた思いが足りないのか(もちろん技術も足りないが)、彼が音楽番組やステージで奏でていたような澄んだ音色には、ほど遠い。
パーカッショニストではない彼の鳴らすスレイベルを、もう一度間近で聴きたい。
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