「きみは確かに、そこにいた。~歯科医師たちの身元確認~」を観た。
井浦新さんのナレーションを聞きたい、というそれだけの理由で予備知識は持たないまま。
※以下、東日本大震災についての記述があります。
ご覧になった方もいらっしゃるかも知れないが、震災直後から、身元のわからなくなった人たち…つまり…ご遺体の歯の診療記録と照らし合わせて本人確認をするという歯科医師たちの日々を描いた、ドキュメンタリー番組だ。
ここに詳細を書くのはためらわれるほど、重く苛酷な…だがとても大切な身元確認ということについて、歯科医師たちの心の底からふり絞るようなインタビューを聞きながら、私自身の「3.11」を思い起こしていた。
震える手ですがるように携帯電話を握りしめ、知人の安否を確かめるメールを打った…返事がなかったらと万が一のことを考えずにはいられなかった。
知人は無事だったが、私にとって「あの日」は今も、深く胸に刻まれたままだ。
窓の外の天気も、その日着ていた服も、身体の震えと涙が止まらなかったことも、昨日のことのようにはっきりと思い出せるほどに。
忘れないように、風化させないように。
無力でたいしたことは何もできないのだけど、せめて折にふれ心にとめておきたいと、改めて思っている。
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