真夏の祈り

遠ざかる夏雲が

胸の奥をかすめた


僅かな疼きは雪崩に似た

怯えとなり

遠雷にさえ身を隠す


渇いた日々を刈り取りあぐね

幾度目かの夏


ただ

この空が2度と崩れ墜ちぬよう

ただ

この大地が2度とはり裂けぬよう


全身で祈る


©️いつき さらさ


8月6日、9日、そして、今も争いの中にある街のために。