福岡インディペンデント映画祭

「福岡インディペンデント映画祭」に行ってきました。


映画祭はプロやシネフィルが集まる、怖い&敷居の高~い場所だと思っていたワタクシ。若干…いえ、かなりドキドキしながら会場のアジア美術館へ。

目的は「NINJA THEORY: BEGINNING」。

飯塚貴士監督のトークショーも是非に、というつもりだったので“年代順に上映されますように…”と祈りつつ、地下鉄の駅へと急いだのでした。


椎名先生の楽しいレッスンがちょっぴり(?)延長になったので、会場に着いたのは17時10分過ぎ。何作品目かはわかりませんでしたが、スクリーンでは正義の味方らしき兄弟(人形)が何かと戦っておりました(汗)


飯塚作品の特徴なのでしょうか、一部の作品をのぞいて演者が人形なんです。

動きも独特ですし、人形そのものには表情がない(能みたいな感じ?)し、棒やあやつり糸がついている作品もありました。人形の大きさは10センチ~15センチぐらいでしょうか(実物、上映後のトークショーで飯塚監督が見せてくださいました。ほんとにちっちゃいというか後ろの席だったのでよく見えない)

コマ撮りしていくので、完成までには数ヶ月以上かかります。


そんな人形たちがまさに生きて演じている、としかいいようのない不思議な世界がそこには広がっていました。いわゆる人形劇とも違うし、よくあるコマ撮りの映像とも違うし…初めて目にすると違和感も感じますが、どの作品も脚本が面白くて。


爆笑しているうちに、世界観に引き込まれていくという感じです。


面白かったのは、お客さんのあり得ないぐらい自由な出入り。

というのも、飯塚作品は短編なのでひとつの作品の長さが約1分~20分前後なんですね。だから、「これが観たい」という目的をもって来られてるマニアな…映画祭慣れした方は、それだけ観て他のイベントに行かれたり、よその会場に行かれたりするようでした。

期間中のフリーパスが1000円ですので、すごくお得。1日だけだったら、500円。フリーパスを買ってもよかったな、って後悔しています。

私自身、映画祭は生まれて初めて行ったんですけど、想像していたよりずっと気軽な雰囲気でとっても自由なので、是非機会があったら遊びに行かれてみてくださいね。

いつ行っても何かやってる、みたいな感じですので。


福岡では、「飯塚貴士特集」というプログラムが1時間ほど組まれていて「NINJA THEORY: BEGINNING」も、その中の1本として上映されました。約20分ほどの作品です。

内容は、現代に生きる忍者たちの青春群像劇です(言いきってしまった)。

工さんは主人公の風見という青年役…の、えーと、人形の声優です。

へんな書き方ですみません💧この先、ほんのりネタバレが含まれます。


工さんは(正確には工さんが声をあてた人形)、コンビニ店員という役どころ。忍者ですから、特殊能力を使ったり「忍法〇〇!」みたいなセリフもあります。

忍者チームになぜか猫がいるんですが、名前が「吉田さん」なんです…

群像劇なので、まあまあ登場人物も多いですね。


作品によっては監督が演じ分けているものもありましたが(女性役もされてるのでそこでも客席が爆笑の渦に)、「NINJA THEORY: BEGINNING」は複数の役者さんが(多分)1体につき一人、という感じで声をあてていらしたようです。

感想ですが、ぎゅっと凝縮した感じでしたし、クライマックスでは「え~!?」みたいなことも起こるし、あっという間に終わっちゃいます(20分ですから)。

後半の工さんのとあるセリフに皆さん大爆笑。こういうの、嬉しいですよね。

楽しい映画でした。


他にも「佐賀フォース」という作品が好きでしたね~バルーンが飛んでいたり、カチガラスが出てきたり、佐賀の方がご覧になったら絶対大ウケすると思います。

ワークショップで作られた作品だということです。


ここからは、上映後に行われた飯塚監督のトークショーのお話をしたいと思いますが、なんと監督は私のすぐ近くにいらしたことが判明。というのも、暗くてよく分からなかったんですが、スタッフの方がステージに案内した男性が飯塚監督だったんです。

関係者っぽい人が近くにいるなあ…ぐらいにしか思ってなかったので、これにはびっくり。


監督はとても物腰の柔らかく、インドア系(工さん談)の雰囲気の方です。

映画音楽もご自分である程度作られているとのことで、お友達とコミックバンドをされていたりして、打ち込みで作っていると言われてたかな。「楽器はそんなに…」と謙遜しきりでしたが、音楽すごくカッコよかったです(MCの人に「こう言ってはなんですが、全然似合いませんね」と言われて、客席もあったかい笑いに包まれてました)


「NINJA THEORY: BEGINNING」は、映画祭で上映されているのがショートバージョンだそうです。ロングバージョンもあるんですか?というMCの質問には、まだ大きな声では言えないというお話でしたが、このショートバージョンを元にして製作するようですね。

こちらも楽しみに待ちたいと思います。


実際に、作品中で使用された人形も披露してくださいました。

想像していたより、かなり小さかったです。手にすっぽり収まるぐらい。何の人形だったのかは確認できず…

「NINJA THEORY: BEGINNING」は、一部のシーンを公開撮影というかワークショップのような感じで作っているのだそう。 クライマックスで、かなり大きめの造形物が出てくるんですけど、それを公園で撮影していたそうなんですね。

で、居合わせた方(子どもさんもいたとか)に少しずつ手伝ってもらって、作り上げたシーンなのだそうです。 協力者の皆さんのお名前が載っているので、エンドロールが長くなっているとのことでした。


今のところ「NINJA THEORY: BEGINNING」は映画祭での上映に限られていますので、機会があったら是非是非お出かけくださいね。