“蛙は自分が住んでいる水を全て飲み干すことはない”
という、いにしえからの言い伝えがあります。
種族は違うけれど、魚もおそらくそうでしょう。
人はともすれば、水を飲み干そうとしてしまうもの。
あるいは自分の周りの水が減り続けていることに気づかない。のどがカラカラに乾いて、初めて「周りの水」のほとんどを飲み干してしまったことを知るのです。
ハシバの“水”も干上がる寸前のような気がしますが…
秘書と重役との秘めごとが描かれていましたが、これは会長の“過去”や松木氏の抱えた“闇”をも暗示しています。そして、人事交流に名を借りたある不正とは。
一之瀬たちは次第にハシバの裏金に迫っていきますが、その手段はサスペンス映画さながら。
時には正攻法だけではなく、あの手この手で会社の再生のために行動を起こします。
役員ひとりひとりを味方につける。
その過程で思わぬ抵抗にあいながらも、ただひたすらに走り続ける戦士たち。彼らの連携プレーが、物語が進むごとに際立ってきています。
裏金という闇。
過去に目を向けろ、という会長からの伝言。謎が深まっていくようです。
もしも、闇を飲み干すことが出来るなら。消し去ることが出来るなら。
登場人物たちの思いが、複雑にドラマを彩っていきます。
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